少年は世界見る
     
〜ジェム・リヴィングストーンが語る神話の世界〜

 


 えっと、みなさんこんにちわ。ジェム・リヴィングストーンです。

 今日はあの、何故だが分からないんですけど、皆さんにこの世界の神話についてお話することになりました。その、ぼくがです、すみません!本当ならシエロさんとかの方がずっと詳しいはずなんですけど、あの人逃げちゃったんです…。
 ぼく、学院時代もあんまり神学の授業は熱心に受けてなかったんで、どれだけ分かりやすく話せるか分からないんですけど、がんばって説明するんでよろしくお願いします!

 


 ぼく達は今、世界中に散らばる五ヶ所の神殿をまわる『巡礼』というものをしているのですが、まずその神殿についてお話したいと思います。

 この世界には五つの大陸があって、どの大陸にも神殿はたくさんあるんですけれども中でも一番大きいのは『大神殿』と呼ばれる『五大神』の主神殿です。これがぼくらが巡礼で訪れる神殿です。あっ、『五大神』って言っても分かんないですよね。後で詳しく説明しますが、この『五大神』とは世界を構成する地・空・海・火・樹を司る五人の神様です。
 それぞれの神様の神殿の中でも一番大きいのが『大神殿』で、世界でも五ヶ所しかありません。つまり、ひとりの神様にひとつづつです。この神殿は五つの大陸にそれぞれ一ヶ所筒あります。一つの大陸に二つの大神殿ということはありません。

  北の(ノルズリ)大陸には『地大神殿』

  東の(アウストリ)大陸には『樹大神殿』

  西の(ヴェストリ)大陸には『空大神殿』

  南の(スズリ)大陸には『火大神殿』

  ギュミル諸島には『海大神殿』

 と言う組み合わせで存在しています。もちろん、ノルズリ大陸にも『空神殿』はあるしヴェストリ大陸にだって『海神殿』はあるんですけれども、やっぱり大神殿と同じ神様の神殿が一番多いし、恩寵が最も強い土地ということで大神殿の神様を大陸の主神として手厚く祀っています。

 


 次に『五大神』の説明です。

 『地神』 アデュレリア
   ノルズリ大陸の主神である『地神』はアデュレリアという名前の神様で、大地を司っています。性別はありませんが地母神とも呼ばれ、慈悲と豊穣のシンボルでもあります。農家などでよく信仰されています。

 『空神』 セレスティン
   ヴェストリ大陸の主神で空と風を司っています。夢想と英知のシンボルで、自由の象徴です。吟遊詩人などの芸人や芸術家、あるいは一部の学者などにも信仰されています。

 『海神』 バローク
   ギュミル諸島の主神で海を含む全ての水を司っています。また水中の全ての生き物の王ともされ、『海王』とも呼ばれます。厳格と生命のシンボルで漁師や水夫に信仰されるほか軍神として兵士にも崇められています。

 『樹神』 ユークレース
   アウストリ大陸の主神で植物全般を司っている森の王様です。治癒と繁栄のシンボルでお医者さんの守り神としても安産の神様としても祀られています。

 『火神』 イグニアス
   スズリ大陸の主神であるイグニアスは、勇気の象徴であり、礼節と正義のシンボルでとても厳しい神様としても有名です。裁判官や警察、あるいは契約の神としても祀られています。

 神様は他にも終末と眠りのシンボルである『冥王』や氷土に封じられた『邪神』などがいます。

 創世神話には『まず地神と空神が創られ、次に海神が創られた。』とあります。地神と空神の二人の神様は『双生神』と呼ばれ、それに海神を加えて『三柱神』と言います。この三人の神様がこの世界を創ったとされています。『三柱神』によって創られたのが『樹神』と『火神』の二人の神様で、始めの三人の神様とあわせて『五大神』と呼ばれます。どの神様が一番だ、とか言うことはないのですがやはり『火神』よりも『地神』のほうが格が高いとされています。
 これらのことは学校で教わったり幼い頃に大人の人が話してくれたりでこの世界の人は大体みんな知っている話です。

 


 えっと、これで以上です。本当に長くなってしまってごめんなさい!それから最後まで読んでくれた皆さんはありがとうございます。
 ぼくの説明ではよく分からなかった、っていう人もきっと沢山いると思うんでもっと詳しく聞きたいことなどがありましたらこちらまで気軽に質問してくださいね。
 では本当にお疲れ様でした。