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小野 不由美

   私のもっとも敬愛する作家さま、小野不由美氏の作品の紹介です。と、言っても私が読んだことがあるのは『十二国記シリーズ』や『悪霊シリーズ』、『くらのかみ』くらいなもの。『屍鬼』や『東京異聞』はまだ未読という私が紹介しようなどと言うのもなんですが、するのは小野不由美氏の作風ではなく各作品に対してだ、とか言い訳しつつさっそくいってみようと思います!!


 私が一番にお勧めしたいのは、やっぱり『十二国記シリーズ』です。これは以前NHKがアニメを作って放映していたのでご存知の方も多いかもしれませんね。原作至上主義の私にとっては思うことも無きにしもなアニメでしたが、私の周りにもあれで十二国記を知ったという人も少なくありません。総合的に見て出来は良かったと思います。
 シリーズの初めの作品となる「月の影 影の海」は普通の女子高生だった陽子が訳も分からぬまま異世界に連れてかれ、こっぴどい目に合わされるというストーリーです(笑) 。
 いや、ホントにすごいんですって。騙され、裏切られて、殺されかけて、死にかけて、と私だったら冗談じゃないよと思うような目にあってます。主人公も性格がだんだん荒んでいくのが手に取るようにわかりますしね。こんな酷い目にあっているヒロインって私は他に知りません(爆)。
 そうしてどん底のずんどこにおちいっていた陽子ですが、もちろん救いはありました。私はそれからの話が大好きです(そこまでの話はちょっと痛すぎ…)。未読の方にはまっさらな状態で読んで欲しいのでネタばれは控える方針の私ですが、シリーズを通してか弱い女子高生からだんだん男前になっていく陽子のギャップが大きくて楽しいです(笑)。かっこいいんですよ、ホントに!女の子だけど。

 「十二国記」の魅力は、私たちの暮らしている現実世界とはまったく異なったシステムで成り立っている世界をリアルに書き上げていることではないかと思います。
 神獣・麒麟によって王を選ぶ十二の国で成り立つ世界というのは、私たちの知っている世界とはあまりにも違いすぎて初めは取っ付き難く思う人もいるかも知れませんが、話を読み理解していくうちにだんだん「十二国記」の世界に愛着が沸いてきますし、何より自分も十二国記ワールドの一員になったような気分にさえなってきます(とは言っても陽子のような目に逢うのはご免ですが)。妖魔や神の存在するファンタジックな世界でありながら、じょじょに裏の事情などもうかがえていく過程などもかなりうまいと思います。さらに作者さまの描写力もさる事ながら、実際にその世界があるかのような緻密な語り口が読者を違和感なく物語りの中へ引き込んでいくのです

 どんなに語っても語り尽くせないこのシリーズは現在、番外編を合わせて7タイトル出ていますが一作目で主人公だった陽子の話以外にも、別のキャラクターを主人公にした物語が多数あります。私は「図南の翼」がお勧めです。

 小野不由美氏の作品で他にお勧めの物としては「悪霊シリーズ」があります。これはホラーでありながらもコミカルで、それでいて背筋にぞくっと来るような要素もしっかり入っています。話の筋もしっかりしていますしね。
 ただ、残念なことにこのシリーズは今入手が難しいようです(別のレーベルから出版し直すという話もあるようですが)。ですので、こちらの物語を読みたい方には講談社から出ている、いなだ詩穂・作 小野不由美・原作のコミック『ゴーストハント』を大プッシュします。こちらの漫画は、絵も素敵ですし話も原作に沿って描かれており話の雰囲気も忠実に再現されております。
 原作をお読みになった方も、ぜひともご覧になってはいかがでしょうか。

(2004/9/19)

(この紹介文は楠 瑞稀の独断と偏見により制作されております。)