何と言いましょうか、これはもう乙女の夢に満ち満ちた作品でしょう。
　恐ろしく大雑把にあらすじを述べると、超絶美少女のお姫さまが、これまたとんでもなくかっこいい皇子さま二人の中からひとりだけ夫となる人物を選ぶ、と言うこれだけでもはやおいしい要素満載だと言うことがわかる物語なのですが、もう本当にこの皇子さまがかっこいいんですよ！

　ひとりは｢白衣の聖皇子｣の異名を持ち、深い金髪が白い礼装に良く映えるまばゆいばかりの高貴な美貌を持った皇子さま。
　もうひとりは切れ長の瞳に漆黒の黒髪、最強の戦士かつ最高の勇将として称えられた｢双刀の黒皇子｣。

　二人とも鼻血が出るほどかっくいいのです！こりゃもう、どちらか選ぶなんて到底無理な話でしょう。

　しかし、お姫さまだって負けちゃあおりません。可愛いだけの(といってもその可愛らしさも半端ではないのですが)女の子と思っちゃいけませんよ。大国の大貴族だって小手先であしらえるほどの人並みはずれた聡明さ。天下無敵の論理的思考。そのくせ、普通の女の子らしいことにはとことん疎いというあたりがどうしようもないくらいかわいいんですよ！！　しかもこのお姫様には(ある意味公然の)秘密があります。実はこのお姫さまは…。と、まあこれは読んだ時のお楽しみにしておきましょう(笑)。

　そのほか一見情けないが実は狸の父王、しっかりものの侍女など素敵な登場人物が盛りだくさんです。

　さて、これだけキャラクターの魅力を大宣伝しておきながら何なのですが、この作品は単にキャラクターが素敵なだけのキャラ萌え小説というわけではありません。
　この作品がこれほどまでに面白い理由は、三国の政治的絡みもしっかり描かれていることでしょう！！　政治的〜なんて言っちゃうと堅苦しくつまらない話を想像してしまう人もいるかも知れませんが、この王セレに関してはまったく心配は要りません。それぞれの国の情勢、国政が詳しくかかれていることで世界観に深みが、物語にさらなる面白みが生まれるのです。　

　　掲載　/オリジナル小説サイト「Seasonal Value」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　管理人　/蔡糸さん

＜この他にも、竜王、精霊王、人王の三界の王に取り巻かれる主人公ノアの物語『限定王座』もお勧めでございますのよ。＞